俺のやりでごどやる
2011年、お店をオープンしたての僕は、「日用雑貨だって、家具だって、バンバン売ってやるぜ!」と自身満々でした。しかし、その僕の無謀な自信は、小売業という厳しい現実の前に、ほんの一年もしないうちにあっけなく打ち砕かれることになります。
そんなとき、僕が出会った澁谷デザイン事務所の澁谷和之さん(以下、澁谷君)。彼との出会いのなかで、真正面から突きつけられた「佐藤って誰よ?」「佐藤美博って誰よ?」「佐藤さんがお腹の底から正直に売りたいと思うものってなんなの?」という問い。
そこで僕が自分を見つめ直し、心から売りたいと思ったもの。それは都会や海外のブランド品ではなく、「西明寺の栗」であり、「横手市十文字のさくらんぼ」であり、「東成瀬村のしいたけ」であり、「にかほ市のいちじく」であり、そんな秋田県内のごくごく身近にある農産品でした。
そうして、僕の中の何かが壊れていくのを感じた2012年。あのときから「俺のやりでごどやる(自分がやりたいと思うことに正直にありつづける)」が動き出します。僕はいつ死んだってイイように、ただただ必死に、楽しく生きています。